Windowsのパソコンを使用している際に、誰もが知らずに使用している機能に「クリップボード」があります。多くの人が「コピー&ペースト」を行い、インターネット上での調べ事をワードやエクセルにまとめたり、書類作成時にコピー&ペーストを行っていると思います。その際に利用されているWindowsの機能がクリップボードとなります。
今回はクリップボードの簡単な説明や便利なフリーソフトを紹介します。
なお、コピー&ペーストはカット&ペーストとも呼ばれますが、今回は記事内を「コピー&ペースト」に統一して記載しています。
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パソコンのクリップボードの機能の概要
クリップボードの概念は「パソコンのアプリケーション間でデータの受け渡しを行う際に利用される、複数のアプリケーションからアクセス可能な共用メモリ」となります。
ただ、これだと難しすぎて何のことか分かりにくいと思うので、感覚的なことで記載すると「コピー&ペーストを行う際にコピーした内容が一時的に保存される領域」となります。
コピー&ペーストを行う際の手順は以下のとおりになります。
1.コピー元のアプリケーションでコピーする範囲のテキストを選択する。
2.マウスで「右クリック」⇒「コピー」を選択する(「Ctrl」+「C」でコピーのショートカット)。
3.コピー先のアプリケーションでコピーする場所を選択する。
4.マウスで「右クリック」⇒「貼り付け」を選択する(「Ctrl」+「V」でコピーのショートカット)。
この時、パソコンの内部では手順2のコピーを行ったタイミングでクリップボードにデータが格納され、手順4の貼り付けを行ったタイミングでクリップボードからデータを取り出しています。クリップボードの動作を加えるとコピー&ペーストは以下の様にパソコン内では処理されています。
1.コピー元のアプリケーションでコピーする範囲のテキストを選択する。
2.マウスで「右クリック」⇒「コピー」を選択する。
3.クリップボードにコピーした内容が格納される。
4.コピー先のアプリケーションでコピーする場所を選択する。
5.マウスで「右クリック」⇒「貼り付け」を選択する。
6.クリップボードに格納した内容が取り出される。
この様にクリップボードが動作しているので、パソコンでは異なるアプリケーション間でもコピー&ペーストが出来るようになっています。
パソコンで利用したクリップボードの履歴を確認する方法
Windows XPまでのWindows OSにはクリップボードを参照できるビューアーのクリップブック(Clipbrd.exe)が付属していましたが、Windows Vista以降のWindows OSでは機能が削除されてしまいました。
そのため、Windows Vista以降のWindows OSではマイクロソフトのオフィスに搭載されているクリップボードのビューアーを使用することで、クリップボードの内容を確認することができます。マイクロソフトのオフィスがインストールされているパソコンであれば、別途フリーソフトなどを使用せずにクリップボードの内容を確認することができます。
マイクロソフトのオフィスでパソコンのクリップボードを確認する方法
マイクロソフトのオフィス(ワード、エクセル、パワーポイントなど)でクリップボードを確認する手順を紹介します。今回はワードの画面を例として紹介していきます。
なお、今回の手順はWindows 7、Microsoft Office 2010で確認しています。
【パソコンでクリップボードを表示1】クリップボードを確認する手順
以下の手順にてマイクロソフトのワードを起動して、クリップボードの内容を確認します。
コピーした最新の情報がクリップボードの上部に追加されていきます。PrintScreenキーを押下した際やテキストデータをコピーした際に追加されていきます。
1.ワードを起動します。
2.「ホーム」タブを選択して、クリックボード右にある四角のアイコンをクリックします。
3.ワードの左側にクリップボードの画面が表示されます。
【パソコンでクリップボードを表示2】クリップボードの内容をワードに貼り付ける方法
クリップボードにコピーされた内容をそのままワードに貼り付けて使用することができます。
1.クリップボードの画面がワードの左側に表示されている状態で、貼り付けたい内容をクリックしてください。
2.カーソルが選択されている位置に、クリックした内容がペーストされます。
【パソコンでクリップボードを表示3】クリップボードの内容を別のアプリケーションに貼り付ける方法
クリップボードにコピーされた内容をそのままワードに貼り付けて使用することができます。
1.クリップボードの画面がワードの左側に表示されている状態で、貼り付けたい内容をクリックしてください。
2.カーソルが選択されている位置に、クリックした内容がペーストされます。
冒頭でクリップボードは複数のアプリケーション間で共有される領域と記載してきました。
オフィス(今回はワード)で表示しているクリップボードの内容を、ワード以外のアプリケーションにも貼り付ける方法を紹介します。
1.クリップボードの画面がワードの左側に表示されている状態で、貼り付けたい内容をクリックしてください。
2.カーソルが選択されている位置に、クリックした内容がペーストされますが気にしないでください。
3.貼り付けたいアプリケーションの画面を表示します。
4.「右クリック」⇒「貼り付け」をクリックします(ショートカットは「Ctrl」+「V」です)。
5.選択したアプリケーションにクリップボードの内容が表示されます。
【パソコンでクリップボードを表示4】クリップボードの内容を削除する方法

クリップボードの内容を表示している際に、不要な履歴が存在している場合は削除することができます。また、全ての内容を一括で削除する方法もあるので、ここでは不要な履歴を削除する方法を紹介します。
■不要な内容を個別に削除する方法
1.削除したい内容を右クリックで選択します。
(または、削除したい内容右に表示されている▼をクリックします。)
2.右クリックメニューが表示されるので、一覧から削除をクリックします。
■クリップボードの内容を一括で削除する方法
1.クリップボードの画面上部に表示されている「すべてクリア」をクリックします。
Windowsパソコンユーザにおすすめのクリップボードツール
クリップボードをオフィスを使って活用する方法を紹介してきましたが、使い勝手を考えると正直微妙と感じる内容となってしまいます。
そのため、ここでは個人的にも愛用している、クリップボードをもっと便利に活用するためのフリーソフトを紹介します。
【Windowsパソコンにおすすめのクリップボードツール1】CLCL

老舗のクリップボード活用ツールで、テキストデータだけではなく画像データもBITMAPで管理してくれます。
個人的にも愛用しており、使いこなすと非常に便利なフリーソフトです。現在の最新OS(2018年7月時点)のWindows 10にも対応しているので、安心して使用することができます。
また、履歴だけではなくあらかじめ登録しておいた定型文も利用することができるので、メールの返信やブログの定型文などを多く使う人にもおすすめです。
【窓の杜のツール紹介URL】https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/clcl/
【公式サイトURL】http://www.nakka.com/
【Windowsパソコンにおすすめのクリップボードツール2】Clibor

上記のCLCLでは画像の履歴も管理してくれますが、テキストデータ(文字)だけを利用したい場合はCliborがおすすめです。
履歴は最大で10000万件まで保存してくれるので、大量のデータを扱う人にもおすすめのフリーソフトです。
こちらもあらかじめ登録しておいた定型文を利用することができます。
【窓の杜のツール紹介URL】https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/clibor/
【公式サイトURL】http://www.amunsnet.com/
パソコンのクリップボードに関するまとめ
パソコンで活用されているクリップボードに関して、クリップボードの概念や履歴の活用方法を紹介してきました。また、便利に使えるフリーソフトも紹介してきました。
特にフリーソフトはパソコンに入れておいて慣れてしまうと、繰り返しコピーを行う必要がなくなるので、画面を切り替える回数も減るので作業効率を大幅に上昇させることが出来ます。
パソコンを利用する際は、クリップボードを便利に使ってみてください。